鍼灸の流派について

こんにちは、心地治療院の島田です。

患者さんや友人からよく聞かれる質問があります。

「鍼灸って流派なんてあるの？全部同じなんじゃないの？」

私たち鍼灸業界にいてる身からすると、流派がいっぱいあるのも知っているし、

診断方法や鍼の打ち方、刺す深さ、使うツボ、先生自身の能力などにもより

鍼灸って一口にいっても、やってる内容は全然違うのです。

日本鍼灸、漢方鍼灸、中医鍼灸、韓医鍼灸、台湾鍼灸、西洋医学に基づいた鍼灸、西洋医学と東洋医学を融合した鍼灸、などなど。

日本鍼灸、中医鍼灸といってもこの中でさらに様々な流派があります。

またこうした大枠があるものの、同じ流派でも先生方によってオリジナル治療となることもあります。

で、結局どれが良い？っていわれると、どれも良いというのが私の意見です。

元来凝り性な方で、一通りは勉強会に行ったり、治療を受けたり、独自に研究したりとしてきました。

どの流派にも個性があり、得意疾患があるので、その方の症状により相性はあるかと思います。

簡単ですが流派の特徴もみていきましょう。

＜中医鍼灸＞
非常に体系だった診断方法をとりますので、
複雑な症状を抱えている方には、そうなった経緯なども分析します。
中国での鍼灸は得気（鍼のひびき）を重視します。
中国や米国の医療現場ではこのやり方が主流です。

＜日本鍼灸＞
経絡治療学会や東洋はり医学会などが有名で、非常に繊細な治療で、診断即治療ができます。
古典を重視していますが、現代の日本人にもあった治療だと思います。

＜日本鍼灸と中医鍼灸を融合した鍼灸＞
北辰会などが有名で、中医理論をベースにしているものの鍼の刺し方や腹などの診断治療方法を日本古来のものを加えています。

＜西洋医学と東洋医学を融合した鍼灸＞
長野式治療は、勉強しやすく再現性も重視しています。解剖生理学も意識した上、東洋医学理論を駆使して治療しいます。東洋医学はとっつきにくい、西洋医学の理論はわかりやすく納得しやすい、そういう意味では学生さんや今後の鍼灸師がどんどんと学んでいく鍼灸の形かもしれません。

＜西洋医学に基づく鍼灸＞
解剖生理学を基盤に治療していきます。
悪い所の筋肉・神経を見極め、鍼をしていくことが多いです。またトリガーポイントなどもあります。
鍼灸整骨院と看板をあげていることが多いです。
トレーナーさんが鍼灸する場合も西洋医学ベースが多いです。

その他にも＜感性だけで治療＞する先生もいてます。
あ、なんとなくここが悪そうだから鍼をしようと。
でもこれも的を得ることが多く、理論を越えて良い効果がでることもあります。

鍼灸といってもざっくり分けてみただけでもこれだけ流派があり、

一般の方には全く知らない世界だと思います。

もし一度だけ行かれて鍼が合わない効果ないと思われても、

違う鍼灸院に行くと意外にも効果がでることがあります。

なので、一度この薬が合わなかったから飲まないという感覚ですと、

鍼灸は当てはまらない気がします。

ちなみに心地治療院は、一応中医鍼灸理論をベースにしていますが、患者さんの症状や体質などから

日本鍼灸やその他の流派の参考になるところを取り入れて治療しています。

もちろん直感に頼ることもあります。無欲、無我で治療に集中できればさらにいいですね。

私も一時期は自分の信じた流派が良くて、こんな流派は良くないなど排他的になっていたこともありました。