顔面神経麻痺 症例2
<患者>
女性 58歳 主婦
<症状と来院まで>
朝に紅茶を飲もうとしたら、急に左の顔が歪んできた。
病院へ行き、ベル麻痺と診断され、ステロイド点滴を行う。
その後血流を良くする薬を処方してもらう。
担当医は3週間くらい薬飲んで様子見ていれば大丈夫というが、
3週間たっても一向に良くならず外出も眼帯とマスク無しではできない。
顔の症状は、瞬きが出来ず見えにくい。目のけいれんも起こる。
口から水がこぼれて飲みにくい。
ホームページを見て、詳しく書いてあるからと当院を選んでいただけた。
<1回目>
柳原40点法で10点。高度な末梢神経麻痺である。
過去に乳癌の手術をし、麻痺の直前には胆のうの手術もした。
精神的ショックが大きく、落ち込みが激しい。
体質としては、胃腸が弱い体質であり、手術後の影響か日常の影響か疲労も入っている。
適宜対応するツボを使い、週2回の治療を提案。
<3回目>
目がつぶり易くなってきた。額のしわ寄せも少しずつできるようになる。
目のけいれんはまだたまに起こる。
この時くらいから、脈がしっかりしてきて、疲れが徐々に取れてきた。
お腹が冷えることが多いので、食事も気を遣い、腹巻もして保護してくれているそうだ。
こういった患者さんの協力はありがたい。
<6回目>
顔の動きが良くなってきた。見た目もじっくり見ないと気づかない程度になる。
眼帯やマスクなしで、外出できることをとても喜んでおられる。
次回から、週1回の治療にするよう伝える。
<8回目>
柳原40点法30点に回復。口の歪みと片目つぶりが少し気になるので、継続して治療を行っていく。
<10回目>
顔の動きを毎回チェックしながら、細かな動きを確認しているが、ほぼ改善がみられご本人も納得されているので、略治とする。以前の職場のパート仕事も復帰する予定だそうだ。
股関節と膝が痛いので、次回からはその治療を依頼される。
<考察>
胆のうの手術もあり、顔面神経麻痺もあり、大変お辛い1年だったと思われる。
年齢と共に手術というのも肉体的にも精神的にも負担がかかる方がいる。
今回の症例では、精神的なケアをしてあげること、疲れの治療で自然治癒力をあげることの大切さを改めて学んだ。
早期治療ができたこともあり、1ヶ月でご本人も驚くほどの鍼灸効果に大変満足されていた。
その結果が別の体の症状をみてほしいということにつながるのだから、患者さんの信頼を得ることは本当に大切なことだと思う。
初めての方はこちらもお読みください。
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