10代からPMSで悩んでいた症例

PMS(月経前症候群)の症例

<患者>
女性 33歳 相談員

<症状と来院まで>
10代の頃から月経前に吐き気を強く感じていた。
その後、月経前にはイライラ感や情緒不安定(不安、怒り、クヨクヨ)がコントロールできなくなる。
頭痛、吐き気、食欲が止まらない、不眠、めまい、下痢なども起こる。
婦人科ではピルを勧めらるが、抵抗があり、漢方の加味逍遥散を服用。
この半年ほど効果をあまり感じられなくなり、当院に来られた。

<1回目>
鍼は初めてなので、最初はお話を聞くことを中心にできるだけ抱えている悩みを打ち明けてもらった。
出張もある仕事をしているので、できるだけ症状の波を減らしたいとのこと。
体の反応としては、腹部瘀血(血の滞り)が顕著で、ストレス症状や水の滞りもある。
治療は軽めに終え、今後の治療スケジュールを確認。
仕事もあるので、隔週ですすめていくことに。

<2回目>
この日は排卵前後で、症状はほとんどないとのこと。
鍼治療も大丈夫とのことなので、胃の不快感があるので全身治療+胃の治療を加える。
聞くと、漢方はやめたという。鍼灸をメインに考えていくそうだ。

<3回目>
生理前でイライラ、過食してしまう。職場でのストレスもあるようだ。
鍼灸治療で体質も変えないといけないので、根気よく治療していきましょうと確認しあう。

<10回目>
来院されて、4ヶ月経ち、生理前なのにいつもの症状がでないと報告を受ける。
舌の色も暗く紅かったのが、明るくなってきて体の変化もしっかりでてきている。

<14回目>
生理前の症状は、安定して軽減されている。
仕事の出張や皆の前で話す機会もあり、緊張感もある生活だがなんとか維持できている。

<考察>
10代から持っている症状ではあったが、4、5ヶ月根気よく治療を続けたことで症状軽減に至ったことは
双方ともに深い喜びがあった。手術のように一度したらとりあえず良いというようにはいかないが、
その後も定期的に来院してくれていることで、症状の維持ができている。
毎回治療中にいろんな話をされ、治療後はいつも表情がスッキリされていたので、
もしかしたら当院が精神的な安心感を与えられていたのではないかと思う。
つくづく、臨床というものは信頼関係が大事だと感じた症例であった。

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